浦安民間防災ネットワーク デレクターより地元県会議員の内田えつし議員の防災に関する情報配信の記事をご紹介させていただく許可をいただいたのでここでレポートさせていただきます。
記事自体は5年前のものとなりますが、現在の浦安市在住者の防災意識の一つの情報として備えの準備に役立ててもらえればと思います。
4月25日、千葉県がこれまで進めてきた津波調査、液状化調査の成果として「津波浸水予測図」と「液状化しやすさマップ」を公表しました。詳細は千葉県ホームページの
液状化しやすさマップ、津波浸水予測図、をご覧ください。
「液状化しやすさマップ」に関しては、液状化対策を実施していないという条件のもと、震度5強、震度6弱、震度6強、それぞれの揺れが起こった時に、どの地域が液状化しやすいかということを具体的に示したものであり、震度6強では、浦安市を含む湾岸地域ゃ利根川流域は「真っ赤」となっています。これはある程度予想していたのですが、このマップの特徴として、震度6強が起こったときという設定になっており、東京湾北部地震、南海トラフ地震の時はどうなるのか、という設定はされていません。あくまでも震度、揺れに対しての考え方であり、東京都の被害想定と違うところです。ですから、東京湾北部地震の場合はどうなるのか、という具体的な地震を例示した時には、
文部科学省の公表している震度分布図と並べて考えていく必要があります。千葉県は、
平成19年度に地震の被害想定を行っており、今回は被害想定を公表していません。
前提があまり変わっていないということで、新たな被害想定は行わなかったとのことですが、防災計画の見直しの中には、今回の東日本大震災に関してもきちんと反映させていくものと期待しています。
そして、何よりも思うことは、マップを作製したということが終着点ではない、ここからが始まりだということを県としても認識して対策を講じていただきたいと思います。「真っ赤」になった地域の方々の不安を取り除くためにも、見える形で液状化対策の推進を私も要望していきます。
「津波浸水予測図」ですが、市町村別の最大津波高も同時に公表されました。浦安市(明海地点)では、元禄地震新モデルではT.P1.5m、南海トラフ巨大地震ではT.P2.4m、湾口10mの津波の際はT.P2.5mと予測されています。今回の予測については、想定外を想定するということから湾口10mという条件が加えられていますが、このあたりの
条件設定について、私はあまりよく理解できません。最悪のケースを想定するということですが、この湾 口
10mの位置づけをもっときちんと説明すべきであると思います。予測図では湾口10mで防潮水門が開放されていた場合、浦安市内の元町地域の猫実、当代島、北栄で大規模な浸水が起こるとされました。東日本大震災の際にも、船橋港で2.4mの潮位変化が報告されており、
浦安市にも津波は来ていたと推測されます。しかし、実際には浸水は起こっておらず、こうした予測図を公表する意味は分かりますが、絵図だけが独り歩きすることも考えたうえで公表すべきであり、現実 とあまりにも乖離しているのではないかと感じるところです。県は、この浸水予測図を公表した責任を自覚し、市内の水門施設の耐震化について積極的な更新整備を行うべきであります。そして、地震とともに、浦安に大きな被害をもたらすであろう高潮対策についても、マップ、被害想定を作成して、対策を講じていく必要があると思います。(写真左は境川東水門、右は猫実川水門 この猫実川水門が機能しない場合に浸水が起こると予測されています)
机上で想定していくことは大切です。しかし、その想定をどのように活用していくのか、県民の安全のために何が必要かということを、示していくことがもっと大切であると私は思います。
市民の皆さんから、第1期埋め立ての護岸の補修についての要望が届いています。大きくブロックが崩れるなど危険個所も多いのですが、災害査定には入っておらず、工事の予定も立っていない状況です。生活道路として通行が多い場所でもあり、きちんとした補修について引き続き要望していきます。そして、将来的にはこの過去の護岸をどのようにしていくべきか、検討を要請していきます。
追記*東京都は津波の河川遡上についてもデータを公表しており、千葉県は公表していません。このあたりはどのようになっているのか、確認していきます。