デレクターズレポート (トリアージ)

 

新年も既に正月気分も抜け今年の目標達成に向け動き出しました。

今年の初レポートはトリアージについての説明をまとめたサイトを見つけましたのでわかりやすく色づけをしてまとめさせていただきました。

 

 

 

トリアージ(Triage)は、人材・資源の制約の著しい災害医療において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。語源はフランス語の「triage(選別)」から来ている。適した和訳は知られていないが、「症度判定」というような意味。ただ、一般病院の救急外来での優先度決定も広義のトリアージであり、識別救急(しきべつきゅうきゅう)とも称する。

以下では災害及び救急時における医療トリアージについて解説する。

 

「トリアージ」は災害医療等において、大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した際においての救命の順序を決めるため、標準化が図られて分類されている。「トリアージ」は最大効率を得るため、一般的に直接治療に関与しない専任の医療従事者が行うとされており、可能な限り何回も繰り返して行うことが奨励されている。その判断基準は使用者・資格・対象と使用者の人数バランス・緊急度・対象場所の面積など、各要因によって異なってくる。一般的に、複数個の救急隊が出場する事案であれば(例えば玉突き衝突事故等)、隊と隊の間の意思疎通・情報共有のためにもトリアージタッグが使用される。

 


判定分類


判定結果は4色のマーカー付きカード(トリアージ・タッグ 不要な色の部分は切り取り、先端にある色で状態を表す)で表示して、一般的に傷病者の右手首に取り付ける。

日本では、総務省消防庁により、トリアージ・タッグの書式が規格として統一されている。この様に、同書式が国単位で統一されたのは日本が初めてである。

・黒 (Black Tag) カテゴリー0(死亡群)

死亡、もしくは生命にかかわる重篤な状態であっても(医療資源は足りないという極限状況下)救命に現況以上の救命資機材・人員を必要とするため、該当する時点での救命が不可能なもの。

 ・赤 (Red Tag) カテゴリーI(最優先治療群)

 生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置が必要で救命の可能性があるもの。

 ・黄 (Yellow Tag) カテゴリーII(待機的治療群)

 今すぐに生命に関わる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要なもの。

 ・緑 (Green Tag) カテゴリーIII(保留群)

 軽度の病症および救急での搬送の必要がないもの。

 

搬送や救命処置の優先順位はI → II → IIIとなり、0は搬送・救命処置が行われないことがある。特に0に当たる黒タッグはその被災者にとって唯一の診療録となり、後に遺族や警察・保険会社などが参照するものであるから、一目で死亡と分かる状態でも被災状況・受傷状況などを記載しておくべきである。


判定基準


大まかに以下の要件で判定される。

  • 総傷病者数
  • 医療機関の許容量
  • 搬送能力
  • 重症度・予後
  • 現場での応急処置
  • 治療に要するまでの時間

 


START法


救助者に対し傷病者の数が特に多い場合に対し、判定基準を出来るだけ客観的かつ簡素にした物がSTART法 (Simple triage and rapid treatment) である。これは、救急救命室で用いられる外傷初期診療ガイドライン日本版において、PrimarySurveyで用いられるABCDEアプローチに基づいたものとなっており、具体的には以下のようになる。

歩けるか?
  • 歩ける→緑→状態の悪化がないか絶えず観察
  • 歩けない→下へ
A:呼吸をしているか?
  • 気道確保をしても、呼吸がない→黒
  • 気道確保がなければ呼吸できない→赤
  • 気道確保がなくとも呼吸できる→下へ
B:呼吸数はどうか?
  • 頻呼吸(30回/分以上)→赤
  • 徐呼吸である→下へ
なお、災害医療においては、所要時間短縮のため、6秒間で呼吸数を計る。この場合、頻呼吸と徐呼吸の境界は3回/6秒となる。
C:循環状態はどうか?
多くの場合、CRT(Capillary refilling time: 毛細血管再充満時間)が使用される。
  • CRTが2秒以上である→赤
  • CRTが2秒未満である→下へ
D:意識レベルはどうか?
簡単な指示(例:「手を握ってください」「誕生日を言ってください」など)に従えるかどうかによって判定する。
  • 応えない→赤
  • 応える→黄

小規模の災害なら赤になる例でもSTART法では黒になってしまう事が多くなるが、これは(現場に混乱を来してしまうほどの)大規模災害のために考え出されたものである。また、この方式は腹膜刺激症状やクラッシュ症候群などの病態を無視しており、追って詳細な状態観察とトリアージが継続されることを前提としている。