今回は、資器材の紹介です。
先日、72歳男性が焼身自殺を計り、家が燃えているという通報で出動しました。
私は火災出動対応で消防隊、救急の対応は分署から出動。...
2階から火炎を確認、延焼中。
建物玄関付近に傷病者を発見、接触時重篤感あり、顔面に熱傷(やけど)、「死にたい」と訴えていました。私は、救急隊到着までの傷病者管理を任されましたが、火災対応で出動したため、武器(資器材)がありません。それでもAEDと毛布、人工呼吸用の資器材を車両に取りに行かせ対応しました。
意識状態は、発語はあるがコミュニケーション不可、接触後4分後にCPA(心肺停止状態)になり、蘇生処置を約2分実施後、自己心拍再開、自発呼吸は戻らず、全身熱傷約90%でした。救急隊に引継ぎ、医療機関に搬送しましたが、お亡くなりになりました。
なかなか、広範囲熱傷では救命が難しいのも現実です。また、熱傷で全身真っ黒コゲ状態でも意識清明である事が多いのも特徴です。
※写真のモニターは、SPO2(血中酸素飽和度)が測れ、CO(一酸化炭素)の値も測定できる優れものです。
普通のSPO2モニターは、血中酸素飽和度だけしか測れません。正常値は、96〜99%位、ちなみにCO中毒の傷病者は、99〜100%の高値を示します。呼吸不全、低酸素状態の方だと90%以下になり、体に酸素が足りない状態なのですぐに酸素投与を開始する訳です。火災現場ではCO中毒が原因で亡くなる方が多くいます。COは、無味無臭なのでサイレントキラーとも言われています。
そのため、このモニターを使用し傷病者の状態を把握することは当然ですが、消防隊員、救急隊員が活動中COに侵される可能性があるため、隊員の体調管理にもかなり有用なモニターなんです。
ちなみに価格は、約80万円です。
今回は、資器材紹介でした。 救急救命ディレクター
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